三酸化アンチモン

三酸化アンチモンの用途
三酸化アンチモンには様々な用途があり、主たる用途は、プラスチック材料の難燃剤です。プラスチックは、自動車、家電、産業機械、住宅などに広く用いられていますが、一般に燃えやすい性質を持っています。そのようなプラスチックにハロゲン系難燃剤と共に三酸化アンチモンを添加することで、高い難燃性を付与して電気機器の短絡や劣化による発火のリスクを減らし、火災による人的被害や経済的損失を防止することができます。
当社の三酸化アンチモンは、ハロゲン系難燃剤と組み合わせることで、各分野にて要求されている難燃性(燃えにくさ)に関するUL94規格やJISで定められているプラスチック−酸素指数による燃焼性(OI)の基準を満たす優れた難燃効果を発揮します。
また、お客様の工程におけるハンドリング性を向上させた湿潤化製品やスラリー化製品(三酸化アンチモン特殊加工品)および特殊包装製品も提供しています。
当社製品が選ばれる理由
- 幅広い粒子径バリエーション
粒子径20nmから10μmまで、用途や要求に応じた最適な製品を提供しております。
- プラスチックの顔料発色性最適化
顔料の発色が求められるプラスチックでその性能を発揮します。
当社の三酸化アンチモンは、以下の用途にも対応しており、各分野で高い評価を得ています。
- ポリエステルの重合触媒
- バリスター(電子回路保護部品)材料
- ガラスの清澄剤
- 白色顔料用途
当社は、これまでに培った知見と様々な評価方法、多様な製造工程を用いて、お客様の多様なニーズに迅速かつ的確に対応し、自動車、建材および電子部品等において求められる、製品の安全性、耐久性、そして環境適合性の向上に貢献します。

PATOX-L 10μm

PATOX-U 20nm(ナノメートル)
グレード紹介
PATOX-M
平均粒子径0.5μmの難燃用標準グレードの三酸化アンチモン。色調や不純物を制御・管理し、樹脂の安定した難燃性、安定した物性と均一な色調に貢献します。
PATOX-MK
当社が品質保証プロセスを経て複数の国にあるOEM工場で生産した難燃用標準グレードです。全製品を当社にて品質検査をしています。
PATOX-K
平均粒径1.2μmの難燃用グレード。低隠ぺい性が特徴のため、顔料調整が必要なプラスチックに適しています。自動車内装材や家電筐体向けプラスチックにおける顔料の着色性に貢献します。
PATOX-KF
平均粒径0.8μmの難燃グレード。隠ぺい力の調整が可能で、用途に応じた柔軟な選択が可能です。
PATOX-C
ポリエステル(PET)重合触媒として最適化された高純度グレードです。本製品は不純物が少なく、優れた重合活性をもち、安定した無色のポリマーを実現し、高品質PET樹脂製造に貢献します。
その他用途への適用
触媒用
プラスチックの難燃用途として平均粒径1μm程度の粒子径であり隠ぺい力に関する選択肢の一つとなります。
顔料用
無機系黄色顔料(チタンイエロー)の配合材料の一つとして実績があります。
バリスター用
バリスターの性能を制御し、耐久性や寿命を向上させるために添加されています。
PATOX-CF
平均粒径0.3μmの触媒用高純度微粒グレード。エチレングリコール(EG)溶解性に優れ、プラスチック品質を低下させる副生成物の発生を抑制します。
PATOX-P
平均粒径3μmの難燃グレードで、樹脂中において隠ぺい力が低く顔料の発色性を阻害しにくいため、安定した色調と顔料発色性を実現します。
PATOX-L
平均粒径8μmの耐熱性ハイグレードです。比表面積が小さいため、高温で加工されるエンジニアリングプラスチックの熱分解抑制や耐加水分解性を向上させます。また、隠ぺい性が低い為、安定した色調と発色性を実現します。
PATOX-U
平均粒径20nmのナノサイズ三酸化アンチモンで、微細な粒子径が求められる分野で使用されています。また、比表面積が大きく触媒活性が高い特性を持ちます。
触媒用
重量あたりの触媒活性が高く、少量添加でその性能を発揮します。
難燃用
分離しにくく安定した液体特性を求められる塗料や接着剤、半導体材料向けに最適です。
PATOX-H
バリスター用に設計された不純物低減グレードです。バリスターの安定した性能を実現します。
PATOX-MZ / PATOX-CZ
電子機器向けグレードで、分級処理により粒子径分布を調整しています。粗大粒子を無くし、微細構造に対応した安定した電気特性を提供します。特に、精密電子部品の用途に最適です。
PATOX-HS
低α線品で、イオン性不純物が少ない、IC封止材等電子材料用ハイグレードです。